世界を魅了する日本人シェフ、
NOBU(ノブ)の心を受け継ぐ場所。

Interviewed NOBU TOKYO ゼネラルマネージャー

小林 一麦

Photos:Yasuhiro Miki
Composition&Text:Katsuhiko Ide

迷ったときには『NOBU』へ
海外ゲストへの対応力と、ほかでは味わえない安堵感。

--『NOBU TOKYO』は、海外からのお客様が多いと伺いました。どういった部分を気に入ってくださっているとお考えでしょうか? <小林>
海外からのお客様は国外にある姉妹店を利用されたことがあったり、ご紹介をいただいたりして、日本でどこに行こうか迷ったときには『NOBU』に行けばいい、という安心感をお持ちだと思います。海外のテイストを意識したメニューも多いので、日本の方には、よそでは味わえない『NOBU』ならではのお料理を楽しんでいただけていると思います。また虎ノ門という場所は、大使館や外資系企業が多いという場所柄、海外から来られたゲストをもてなしたいと考える日本の方も多く、ベジタリアンの方や宗教上の理由で食べられないものがある方がいても、皆様が我慢せずに美味しく召し上がっていただけます。
食材やお料理はできる限り最高のものをご提供し、期待を超える食事とリラックスした時間を楽しんでいただきたいという想いがありますので、あえてドレスコードは設けておりません。偶然通りかかってふらっと入るといった立地ではないのですが、最近はSNSなどの影響もあり、幅広い世代の方がいらっしゃいますね。

2020年の東京オリンピックに向け、海外からのお客様がさらに増えていくと予想されますので、想定される様々なシーンにもっと対応していけるようにする必要もあり、今回新しく運営のライフラインとも言える、予約とPOSを再編したわけです。 これによって例えば、入力の面でも日本語での対応を実現する事で、ホールと調理場での意思疎通がよりスムーズになりましたし、大人数となる団体のお客様のご利用の際に、お支払いは一括と分割、両方のご要望がありますが、こういったシーンにも現場のスタッフは柔軟に対応できるようにしています。

膨大な情報量を素早く整理して円滑に伝えることが、
接客の質向上へとつながる。

--システムや仕組みの向上も重要ですが、それを扱うスタッフの対応力も求められますね。 <小林>
現在の飲食業界は優秀な人材を取り合うような状況下にあります。求められる繊細な接客をする反面、膨大な情報量を抱えることになりますので、ひとりひとりのスタッフにかかる負荷は増えていると思うんです。その付加を軽減するための工夫が必要になるわけですが、その中には割愛していい部分と、してはいけない部分があります。システムを活用することでいかにその割愛していい部分の負荷をスタッフから取り除けるか?そこが大切だと考えています。

システムで運営を管理する際に、当店ほどのメニュー数があるお店はなかなか出合わないかもしれませんが、それでもより多くの店舗で生まれる要望や課題に応えていく事で、その恩恵を関わる皆が受けられることを期待しています。

華やかなテーブルを演出するために、
スタッフの意思伝達を工夫する日々。

--メニューの種類がとても多いのも『NOBU TOKYO』の大きな特長のひとつですね。 <小林>
天ぷらや寿司など、日本食には専門店が多いですが、『NOBU』ではお寿司も揚げ物も焼き物もご用意しています。お寿司のネタや天ぷらの食材の種類も豊富です。

たとえば、先にお造りを出して、炭水化物であるお寿司はその後、というのが和食本来の順番ですが、今やお寿司は世界中にあり、必ずしも炭水化物ではなく前菜扱いと考えるお客様もいらっしゃいます。
また最初からお造りとお寿司を大皿に盛り付けてドン!と提供した方が良いと考えるテーブルもあります。それらは担当するスタッフが“テーブルを華やかにするためには、どういう盛り付けをしたらいいのか”ということを考え、それを実現するために、注文に対していち早くキッチンが取り組めるようデザインしないといけないんです。

または同じテーブルにお好みで異なる種類のお寿司を10貫お選びの方、天ぷらの方、ステーキを注文された方がいたとします。海外のお客様は、先に自分のお料理が運ばれてきても全員分がそろうまで手をつけずに待たれるので、ですから、すべてを同時に提供しないといけません。皆様に作りたての最高の状態で召し上がっていただきたいという想いがありますので、それぞれの担当スタッフが意識を合わせてその演出を完璧に近づけられるよう、これからも日々工夫していくつもりです。

Interviewed NOBU TOKYO ゼネラルマネージャー

小林 一麦

ニューヨークで産声を上げたNOBUを日本で唯一味合うことが出来る「NOBU TOKYO」。
NOBUの心を受け継ぐ一人として、店舗全体の運営を担う。